長野市西和田の『いはらピアノ教室』のブログ

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『ピアノ脱力法メソッド』

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 こんにちは。長野市西和田の『いはらピアノ教室』講師のいはらです。

 

昨年5月から、「ピアノ脱力法メソッド」をより深く学ぶために、トレーナー養成講座を受けに東京に通っていました。

 

「ピアノ脱力法メソッド」とは、大嶋先生が提唱するメソッドで、ピアノを弾くために必要なからだの使い方を徹底的に学び、演奏に活かしていくメソッドです。(ものすごくざっくり説明するとこんな感じです)

 

3年前にセミナーを受けに行って、とてもよかったので、その時から手の体操などのフィンガートレーニングをレッスンに取り入れています。 

ihara-piano.hatenablog.com

 今では、生徒さんたちのピアノを弾く手指づくりに欠かせないものになっています。

 

ひとりひとりのからだの特性

 

ピアノは指で鍵盤を押せば音が出ますが、指以外にも、手首、前腕、肘、上腕、肩甲骨、上半身、下半身、と、全身を使って演奏します。

そのからだの使い方を、長い長いピアノの練習の中で積み重ね、体得していくわけです。

 でも、ただ練習しさえすれば必ず誰にでも手に入るものではありません。

 

ひとりひとり、関節の柔らかさ、手の大きさ、骨や筋肉の強さが違います。からだが柔らかく脱力が得意な子もいれば、指や骨ががっしりしていて固定が得意な子もいます。

前者は微妙な表情の変化を付けるのが得意、でも凝縮されたfや、切れのいいスタッカートは苦手です。後者は比較的楽にfやいい音を出しやすいです。やわらかく、長いフレーズを情感をつけて弾くのが苦手。

また、からだの特性をかばいながら弾くために、逆の癖がついてしまうこともあります。

 

脱力が得意な子、固定が得意な子、それぞれに逆のことが苦手です。ですがこれらは、訓練や練習で苦手な方を補っていけばいいこと。

指導者が、それらをきちんとわかって指導ができなければなりません。

 

ピアノを弾くためのからだの使い方

 

この「ピアノ奏法」の部分を指導している、または指導できるピアノの先生は、おそらくそんなに多くはありません。(もちろんちゃんと指導されている先生もいらっしゃいます)


なぜなら、要領のいい子は自分でなんとなく体得出来たり、上手くいかなくても、練習量で出来るようになるか、力技で弾いてしまうから。
そして上手くできない子は弾きづらさを抱えたまま、弾きづらいので練習が嫌になり、ピアノも好きでなくなり、辞めてしまうから。

自分で何とかできた生徒さんも、さらにその先の段階で問題が出てくることもあります。きちんとしたからだの使い方を教わっていないと、どこかの段階で壁に突き当たります。

 

お教室を移ってこられた生徒さんの中にも、からだや手指の使い方に問題があり、弾きづらさを抱えていた生徒さんは多いです。

ピアノの指導も段階があるので、のちのち指導しようと思われていたのかもしれませんが、どの生徒さんも弾きづらさを抱え、練習や演奏自体もしんどそうでした。

 

弾くのが楽になれば、練習もちょっと楽になる

 

どんな生徒さんも、先生がきちんとからだの使い方を指導してあげれば、弾くこと自体が楽になるし、本当に必要な練習量だけで効率よく上達していきます。(お家での練習はしてもらわないと上手にはなりませんよ~~~)

 

からだのことに意識を向けなきゃいけないので、ただ音を出すだけより頭を使います。慣れないうちはちょっぴり大変かも。

お教室では、幼児さんにも「指あがり」という名前で、「ピアノ脱力法メソッド」のフィンガートレーニングを行っています。手指の使い方に集中するので、いつも終わると「はぁあぁ~~~」と、やりきった様子です。笑

 

生徒さん本人が、からだのことを意識した練習を受け入れてくれるのに、時間を要する場合もありますが、確実に弾くのが楽になることがわかると、前向きに取り組んでくれます。

お教室を移ってこられた生徒さんも、癖を直すのに半年~1年程度、時間はかかりますが、弾くこと自体が楽になってくると、練習頻度や練習時間が増えてきているように思います。

曲が仕上がるペースも確実にあがってきています。

 

練習が嫌なのは、やりづらさがあるからなんです。思うように弾けるようになってくるから、やっぱり楽しいんじゃないかな。

 

練習だってレッスンだって、ピアノを弾くことが楽しくないといけないと思っています。地道な練習をしなきゃいけないときもあるけど、弾くのが楽しい、上達するのが楽しい、そうなってくれるレッスンを目指しています。